数年前に同期が数人辞めてしまったり、最近は職場の先輩が転職されたりと、周囲の若手職員が退職しているので、公務員の退職率がとても気になっていました。
20代の離職率はなかなか高いのではないのかと思って調べてみました。
すると、人事院が次の資料を毎年作成していることを知りました。
「平成28年度 年次報告書」
「一般職国家公務員の在職者・離職者数の推移」
一般職?
国家一般職(旧国家Ⅱ種)のみ統計取っているの…?
なんで…?国家総合職(旧国家Ⅰ種)は?
と勘違いしていたのですが、ここで言う一般職は、試験区分の違いではありませんでした。
国家公務員で言う一般職は、「特別職に属さないすべての職」のことで、採用試験等で任用された公務員を言います。
じゃあ特別職ってどう言う人なのかと言いますと、国家公務員法第2条第3項に列挙されていますが、「内閣総理大臣」、「国務大臣」など試験制度によらないで任用されたお偉いさん達のことです。
※投稿した時点で、勘違いしておりました。すみません。
離職率とは
転職活動していると、「3年以内の離職率10%!」などといった謳い文句をよく見かけるのですが、そもそも離職率とはどのように計算するのでしょうか。
厚生労働省のホームページに記載されていました。
離職率とは、常時労働者数に対する離職者の割合をいい、次式により算出している。
なお、離職者とは、常用労働者のうち、調査対象期間中に事業所を退職したり、解雇されたものをいい、他企業への出向者・出向復帰者を含み、同一企業内の他事業所への転出者を除く。
これを先ほどの統計資料「一般職国家公務員の在職者・離職者の推移」に当てはめて考えると、次のようにして離職率を求めることができます。
離職率 = 離職者数 ÷ 在職者数 × 100
こちらの統計資料の数字、よく考えたらダメですね。
離職といっても、離職理由別の内訳数がありません…。
私が調べたかったのは、
「公務員、つまらない!辞めてやる!」
「公務員じゃやりたいことできない!やめる!」
といったような、定年退職によらない自己都合退職等に係る離職率です。
離職とは
離職は、言葉の通り「職を離れること」ですが、人事院規則にその内容が定義されています。
箇条書きだと分かりにくいですが、表にすると以下の通りに整理できます。
大きな定義として離職という言葉があり、その内訳として失職と退職が、退職についてはさらに免職と辞職に分類されています。
つまり、私が出したい離職率は、厳密にいうと「辞職率」になります。
離職数の統計資料
統計資料をあさったところ、人事院が発表している「一般職の国家公務員の任用状況調査」という資料がありました。
エクセルファイルになっているのでダウンロードしてみましたが、これがまたいいデータになっていました。
年齢別、職種別、離職要因別になっておりまして、個人的に調べたかった数字を導き出せそうです。
離
職 |
定 年 退 職 |
60歳 |
4,712 | ( | 314 |
) |
|
62歳 |
– 0 | ( | – 0 |
) |
|||
63歳 |
85 | ( | 15 |
) |
|||
65歳 |
22 | ( | 2 |
) |
|||
計 |
4,819 | ( | 331 |
) |
|||
勤務延長の期限到来 |
1,422 | ( | 58 |
) |
|||
再任用の任期満了 |
857 | ( | 67 |
) |
|||
辞 職 |
19歳以下 | 74 | ( | 17 |
) |
||
20~24歳 | 547 | ( | 170 |
) |
|||
25~29歳 | 761 | ( | 222 |
) |
|||
30~34歳 | 824 | ( | 164 |
) |
|||
35~39歳 | 833 | ( | 163 |
) |
|||
40~44歳 | 1,186 | ( | 201 |
) |
|||
45~49歳 | 990 | ( | 157 |
) |
|||
50~54歳 | 1,033 | ( | 110 |
) |
|||
55~59歳 | 1,500 | ( | 124 |
) |
|||
60~64歳 | 626 | ( | 19 |
) |
|||
65歳以上 | 16 | ( | 3 |
) |
|||
計 |
8,390 | ( | 1,350 |
) |
|||
[うち特・地・公等へ] |
4,221 | ( | 385 |
) |
|||
任期付任用の任期満了 |
1,435 | ( | 810 |
) |
|||
分限免職 |
14 | ( | 3 |
) |
|||
懲戒免職 |
9 | ( | – 0 |
) |
|||
失職 |
1 | ( | – 0 |
) |
|||
死亡 |
258 | ( | 23 |
) |
|||
計 |
17,205 | ( | 2,642 |
) |
|||
注 各項目右欄の( )内は女性の内数を示す。 |
離職率(辞職率)
当該統計資料に在職者数もありましたので、離職率(辞職率)を世代別に算出しました。
在職者数 |
辞職者数 |
辞職率 |
|
19歳以下 | 857 | 74 | 8.63% |
20~24歳 | 13,989 | 547 | 3.91% |
25~29歳 | 24,906 | 761 | 3.06% |
30~34歳 | 27,666 | 824 | 2.98% |
35~39歳 | 31,077 | 833 | 2.68% |
40~44歳 | 43,324 | 1,186 | 2.74% |
45~49歳 | 45,994 | 990 | 2.15% |
50~54歳 | 42,810 | 1,033 | 2.41% |
55~59歳 | 37,462 | 1,500 | 4.00% |
60~64歳 | 10,173 | 626 | 6.15% |
65歳以上 | 323 | 16 | 4.95% |
合計 |
278,581 | 8,390 | 3.01% |
やはり若い世代の離職率は高いですが、それでも民間企業における離職率よりははるかに低いですね。
そして、50歳以上になるとだんだん離職率が高くなってきます。
あと10年も働く気力がなくなったり、ある程度の退職金が見込めるようになったら退職してしまうのでしょうか。
10年間働き続けたとしても、10年後も同じような金額の退職金が見込めないから、さっさと辞めようという考えの人が増えているんでしょうかね。