地方公務員の給与の仕組みと初任給

地方公務員の給与の仕組みと初任給

地方公務員の給与は、各自治体の採用ホームページを見るとおよその額が記載されています。

そして、各自治体の条例等に基づき具体的な給与額が確定されるため、根拠となる計算式があります。

これは条例等で定められているので公になっており、誰でも計算できるはずです。

しかし、堅苦しい文章のため、法律に慣れていない人が読み解くのは少々難しくなっています。

そこで、ここでは公務員の給与を具体的に計算していく方法をご紹介いたします。

 

「給与=給料+その他手当(給与の調整額)」

月に支給される給与は、給料とその他手当の合算した金額になります。

給与と給料の意味が混同してしまいがちですが、ここの言葉の定義は抑えておいてください。

渋谷区の「職員の給与に関する条例」を参考に見ていきたいと思います。

https://www.city.shibuya.tokyo.jp/reiki_int/reiki_honbun/g114RG00000142.html#l000000000

 

給料とは?

 

給料の定義は「職員の給与に関する条例」第2条に記載されています。

 

(給料)
第二条
 給料は、職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例(平成十年渋谷区条例第四号。以下「勤務時間条例」という。)第二条第三条第一項及び第二項並びに第五条に規定する正規の勤務時間(第十五条第三項を除き、以下単に「正規の勤務時間」という。)による勤務に対する報酬であつて、この条例に定める管理職手当、初任給調整手当、扶養手当、地域手当、住居手当、通勤手当、単身赴任手当、特殊勤務手当、特地勤務手当、超過勤務手当、休日給、夜勤手当、宿日直手当、管理職員特別勤務手当、期末手当、勤勉手当、寒冷地手当及び災害派遣手当(武力攻撃災害等派遣手当及び新型インフルエンザ等緊急事態派遣手当を含む。)を除いたものとする。

 

条文は長ったらしくて読みにくいので、まずはカッコを取っ払って読みます。

 

給料は、職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例第二条第三条第一項及び第二項並びに第五条に規定する正規の勤務時間による勤務に対する報酬であつて、この条例に定める管理職手当、初任給調整手当、扶養手当、地域手当、住居手当、通勤手当、単身赴任手当、特殊勤務手当、特地勤務手当、超過勤務手当、休日給、夜勤手当、宿日直手当、管理職員特別勤務手当、期末手当、勤勉手当、寒冷地手当及び災害派遣手当を除いたものとする。

 

端的に言うと、その他手当以外の報酬が給料だよ、と言うことです。

では、その具体的な金額は?

これが「職員の給与に関する条例」第5条に記載されています。

 

(給料表、適用範囲及び職務の級)
第五条
 給料表の種類は、次に掲げるとおりとし、各給料表の適用範囲は、それぞれ当該給料表に定めるところによる。
(本項全部改正三二年一七号、一部改正三五年二三号)
一 行政職給料表 (一) (別表第一)
(改正三四年二五号)
二 行政職給料表 (二) (別表第二)
(改正三四年二五号)
三 医療職給料表 (一) (別表第三)
(追加三九年三九号、一部改正四八年一五号)
四 医療職給料表 (二) (別表第四)
(追加四八年一五号)
五 医療職給料表 (三) (別表第五)
(追加五〇年一号)
…(略)…
4 任命権者は、全ての職員の職を前項に規定する等級別基準職務表及び人事委員会が定める基準に従い、給料表に掲げる職務の級のいずれかに格付けし、給料表により給料を支給しなければならない。

 

第5条第4項より、「給料表により給料を支給しなければならない」とあり、その給与表とは第5条第1項の各別表で定められていると言うことですね。

 

給料表の見方

 

では、具体的に給料表をみましょう!

大卒程度の試験で職員となった場合に適用される「行政職給料表 (一) (別表第一)」を参考にします。

 

行政職給料表(一)

職員の区分

職務の級

1級

2級

3級

4級

5級

6級

号給

給料月額

給料月額

給料月額

給料月額

給料月額

給料月額

再任用職員以外の職員

1

142,500

197,100

227,300

254,200

285,000

370,300

2

143,600

198,700

229,400

256,500

287,500

373,100

3

144,700

200,300

231,500

258,800

290,000

375,900

4

145,900

201,900

233,600

261,100

292,500

378,700

5

147,100

203,500

235,700

263,400

295,000

381,500

6

148,300

205,200

237,800

265,700

297,500

384,300

7

149,500

206,900

239,900

268,000

300,000

387,100

8

150,700

208,600

242,000

270,300

302,600

389,900

9

151,900

210,400

244,100

272,600

305,200

392,700

10

153,100

212,200

246,200

274,900

307,800

395,500

11

154,400

214,000

248,300

277,200

310,400

398,400

12

155,700

215,900

250,500

279,500

313,000

401,300

13

157,000

217,800

252,700

281,800

315,600

404,200

14

158,400

219,700

254,900

284,100

318,200

407,100

15

159,800

221,600

257,100

286,400

320,800

410,000

16

161,200

223,500

259,300

288,800

323,400

412,900

17

162,700

225,400

261,500

291,200

326,000

415,800

18

164,300

227,300

263,700

293,600

328,600

418,700

19

166,000

229,200

265,900

296,000

331,200

421,700

20

167,800

231,200

268,200

298,400

333,900

424,700

21

169,600

233,200

270,500

300,800

336,600

427,700

22

171,400

235,200

272,800

303,200

339,300

430,700

23

173,200

237,200

275,100

305,600

342,000

433,800

24

175,000

239,200

277,400

308,000

344,700

436,800

25

176,800

241,200

279,700

310,400

347,400

439,800

26

178,600

243,200

282,000

312,800

350,100

442,800

27

180,400

245,200

284,400

315,300

352,800

445,800

28

182,100

247,300

286,800

317,800

355,500

448,700

29

183,700

249,400

289,200

320,300

358,300

451,600

30

185,000

251,500

291,600

322,800

361,100

454,400

31

186,200

253,600

294,000

325,300

363,900

457,100

32

187,400

255,700

296,300

327,700

366,700

459,700

…長いので以下省略!!!笑

 

お気づきと思いますが、給与表は

横軸:職務の級
縦軸:号給

で構成されています。

 

つまり、公務員の給与は「職務の級」と「号給」の組み合わせによって決まります。

 

職務の級

 

「職務の級」とは、職務の複雑・困難・責任の度合いに応じて区分されており、地方公共団体ごとにその内容は異なってきます。

級が上がることを「昇格」といい、渋谷区の例でいうと「係員」から「主任」になることを言います。

民間企業でいうと、「課長から部長になった」ことと同じ意味になります。

ちなみに、「職務の級」の定義は、「職員の給与に関する条例」第5条第3項に記載されていました。

 

(給料表、適用範囲及び職務の級)
第五条
3 職員の職務は、その複雑、困難及び責任の度に基づきこれを給料表に定める職務の級に分類するものとし、その分類の基準となるべき職務の内容は、別表第六に掲げる等級別基準職務表に定めるとおりとする。

 

ここでも同じく、大卒程度の試験で職員となった場合に適用される「行政職給料表 (一) 別表第6」をみてみましょう。

 

別表第六(第5条関係)

(改正…30年2号)

等級別基準職務表

ア 行政職給料表(一)等級別基準職務表

職務の級

基準となる職務

1級

係員の職務

2級

主任の職務

3級

係長、担当係長又は主査の職務

4級

課長補佐の職務

5級

課長、担当課長又は副参事の職務

6級

部長、担当部長又は参事の職務

 

職務に応じて割与えられた階級です。

新入職員は経験者採用でない限り、1級からスタートとなります。

 

号給

 

「号給」は「職務の級」のなかでさらに給料の金額を細分化したものです。

号給が上がることを「昇給」といい、公務員は毎年何も不祥事起こさない限りは4号昇給することが確定しています。

ちなみにこちらは「職員の給与に関する条例」第6条第4項に根拠がありました。

 

 

(初任給及び昇格昇給等の基準)
第六条 (改正…一八年一一号)
4 前項の規定により職員を昇給させるか否か及び昇給させる場合の昇給の号給数は、同項に規定する期間の全部を良好な成績で勤務した職員の昇給の号給数を四号給とすることを標準として人事委員会が定める基準に従い決定するものとする。

その他手当

 

その他手当の具体的な内容は「職員の給与に関する条例」第9条〜第22条に記載されています。

渋谷区では、

管理職手当
初任給調整手当
扶養手当
地域手当
住居手当
通勤手当
単身赴任手当
特殊勤務手当
特地勤務手当
超過勤務手当
休日給
夜勤手当
宿日直手当
管理職員特別勤務手当
期末手当
勤勉手当
寒冷地手当
災害派遣手当

が定められていますね。

このうち実際支給される場合が多い手当は、扶養手当、地域手当、住居手当、通勤手当、超過勤務手当、期末手当、勤勉手当等でしょう。

私は災害派遣手当が支給されたことがありますが、1日約4000円弱と結構な金額をいただけたので、びっくりしたことがあります。

 

地方公務員の初任給は?

さて、初任給はどのように算出するのでしょうか。

ここでまた渋谷区の「職員の給与に関する条例」第6条をみてみましょう。

 

新卒採用者の給料

 

(初任給及び昇格昇給等の基準)
第六条 新たに職員となつた場合並びに職員が一つの職務の級から他の職務の級に移つた場合及び一つの職から同じ職務の級の初任給の基準を異にする他の職に移つた場合の給料の基準は、人事委員会が定める。

 

具体的な内容が人事委員会によって定められていますので、人事委員会が定めた「初任給、昇格及び昇給等に関する規則」をみてみます。

 

第三節 初任給
(新たに職員となつた者の職務の級)
第十条 新たに職員となつた者の職務の級は、その職務に応じ、かつ、次に定めるところにより決定するものとする。

(一部改正…二年一二号)

 次に掲げる職務の級にあつては、あらかじめ人事委員会の承認を得ること。

(1) 行政職給料表(一)の職務の級六級、七級及び八級

(2) 医療職給料表(一)の職務の級二級及び三級

(3) 医療職給料表(二)の職務の級六級及び七級

(4) 医療職給料表(三)の職務の級六級及び七級

(一部改正…六二年五号・二年一二号・一八年七号・一九年二二号)

 前号に掲げる職務の級以外の職務の級にあつては、その職務の級について級別資格基準表に定める資格を有していること。(一部改正…二年一二号)

 

(新たに職員となつた者の号給)

第十一条 新たに職員となつた者の号給は、前条の規定により決定された職務の級の号給が別表第六に定める初任給基準表(以下「初任給基準表」という。)に定められているときは当該号給とし、当該職務の級の号給が同表に定められていないときは、同表に定める号給を基礎とし、その者の属する職務の級に昇格したものとした場合に第十七条の二及び第二十一条第一項の規定により得られる号給とする。

別表第6に詳細が定められていますので、確認してみます。

 

別表第6(第11条、第12条関係)

(改正…18年7号、一部改正…19年2号・21年1号・23年9号)

初任給基準表

ア 行政職給料表(一)初任給基準表

職種

試験(選考)

学歴免許等

初任給

調整号数

事務

福祉

技術

Ⅰ類

- 

1級29号給

+1号

Ⅱ類

- 

1級17号給

+3号

Ⅲ類

- 

1級5号給

+5号

法務

 -

- 

4級6号給

- 

会計

 -

- 

3級2号給

- 

したがって、新卒で渋谷区の職員になった場合の初任給は、「1級29号給」になります。

こちらを、元に先ほど紹介しました「行政職給料表 (一) (別表第一)」に当てはめると、183,700円であることがわかります。

 

職員の区分

職務の級

1級

2級

3級

4級

5級

6級

号給

給料月額

給料月額

給料月額

給料月額

給料月額

給料月額

再任用職員以外の職員

27

180,400

245,200

284,400

315,300

352,800

445,800

28

182,100

247,300

286,800

317,800

355,500

448,700

29

183,700

249,400

289,200

320,300

358,300

451,600

30

185,000

251,500

291,600

322,800

361,100

454,400

31

186,200

253,600

294,000

325,300

363,900

457,100

32

187,400

255,700

296,300

327,700

366,700

459,700

 

新卒採用者のその他手当

初任給が支給される4月は残業代が反映されないため、支給される手当は「地域手当」、「通勤手当」あたりになると思います。

「超過勤務手当」は実績を元に支給されるため、4月分の残業代は5月に支給されます。

東京都内の地域手当は「給料×2割」なので、想定されるその他手当は183,700円×2割=36,740円になると思われます。

「通勤手当」は人によって異なりますのでこちらでは省略いたします。

 

ズバリその初任給は

183,700円+36,740円=220,440円がおよその額面金額になると思います。

手取り金額は約8割なので、約176,352円が実質的に振り込まれる給料かと想定されます。

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